青森県立三本木農業高等学校で約10年前から全国でも唯一取り組んでいる「青森シャモロック飼養管理プロジェクト学習」が開講された。
5月14日に第1回目の講義となり、同校動物科学科1年生35名(男子15名・女子20名)が青森シャモロック初生雛の管理方法について学び、青森シャモロックの初生雛の体重測定とビークトリミング(嘴の頂点を切除)を体験した。
半数以上が雛に触れるのも初めてだと言う生徒らは慎重に温度管理された育雛器から雛を取り出し、手のひらの中で優しく抱えた。
青森シャモロックは足のサイズが特徴的で雛の頃から身体のバランスと比べると大きい。雛の体重測定では今後の管理での成長の記録を取るために1羽ずつ計る。計ってからは担当の太田哲先生が生徒と雛の写真を一枚ずつ記録。生き物を育てるための責任と愛情を持って欲しいと伝えた。
次に雛の嘴の先端を焼き切るビークトリミングを実施。少し可哀想にも思えるが、これは鶏同士がつつき合い傷つけあうことを防ぐために行う。生徒らは先生の指示を聞き、しっかりと雛を抱え、ゆっくりと専用の機材へ押し込んで嘴の先端を切除した。この形のまま雛は鶏になるので餌が食べにくくならないように切断面が斜めになっていないかなど確認した。
実習後は青森シャモロックについての講義を行った。青森シャモロックはオスの横班シャモとメスの速羽性横班プリマスロックの交配のみで生まれる雑種第1代のみを指し、一代のみしか認められない。青森シャモロック同士、または掛け合わせの交配では青森シャモロックとはならないという。
専用の研究所でしか扱わない貴重な青森シャモロックを三農では生徒のために飼養管理している。今後は当番制で生徒らが水や餌、紙の交換など成長記録を管理していく予定。
青森シャモロックの三農ブランドを作ってはどうか?との記者からの質問に太田先生は目的は販売ではないため利益が出てはいけない。無料で配る事も他業者の営業妨害になってしまうので難しいところ。貴重な青森シャモロックを学習のために譲ってもらっているので何かいい形で活かせないか考えていきたいと語った。