実践的アンチエイジング講座

6、身体を知ろう(1) 腎臓

[実践的アンチエイジング講座]

 一般の健康に関する本を見ると、健康になるには、ああしなさい、こうしなさい、ということは書いているが、それが身体のどの部分に、どのように影響して健康になるのかということを書いている本はあまりない。
 あるいは、様々な健康食品、健康サプリメントにしても同じである。
 健康サプリメントは、血液サラサラやダイエット、目の疲れ、美容など、何百種類という様々なサプリメントが売りに出されている。
 知っている人から勧められたという方も多いに違いない。
 中には、ともかく身体にいいからといわれて買わされたという人もいる。
 健康は命より大切だという言葉を聞いたことがある。これは笑い話かと思ったら、結構まじめな本で、アメリカの医療政策を紹介した『健康のためなら死んでもいい』(藤松忠夫=㈱ゾディアック刊)という本もあった。
 いずれにしても、異常なほどの健康ブームである。
 私の知っている人で、様々なサプリメントに、年間100万円使っているという人がいる。その人の顔を見ると、何故か顔がむくんでいた。
 平成22年(二〇一〇)の日本人の平均寿命が、女性86・39歳で、26年間連続世界第1位となった。男性は79・64歳で、過去最高となり、香港、スイス、イスラエルに次いで世界第4位に伸びた。
 また、100歳以上の人が四万四千四百四十九人(二〇一〇)である。
 これら長生きした人たちは、サプリメントを飲んで長生きしたわけではない。

 しかし、健康でありたい、長生きをしたい。これは誰でも同じ願いであろう。
 健康、あるいはアンチエイジングを考えるとき、人間の身体の、それぞれの器官なり臓器がどのような働きをし、どのようにして生命を維持しているのか、それぞれの機能について知ることが大事であると、私は、思っている。
 そのことによって、サプリメントなどに頼らない、身体の自己管理ができるであろう。
 手元に、イギリスBBC(英国放送協会)で放送され、感動を呼んだ『ドクターアリスが教える 長寿の秘密』(ユーキャン発行)のビデオがある。
 これは、人間の身体の器官や臓器が、どのような働きをし生命を維持しているのかを、解剖学的に映像で紹介したものである。
 これをもとに、人間の身体のそれぞれの臓器・器官の働きと、どのようにして命が維持されているかを考えてみたい(参考資料『からだのしくみ辞典』浅野伍朗監修=成美堂出版刊)。
 まず、私たちの身体の約60㌫が水である。水の他、タンパク質、炭水化物、脂質、カルシウムなどで構成されている。
 別な見方をすると、それらが約60兆個という細胞という形で存在し、その細胞が新陳代謝を繰り返し、常に新しい細胞に生まれ変わっている。
 また身体は、骨格系、筋肉系、内臓系で作られ、内臓には循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器・生殖器系、内分泌系、感覚系などがある。
 以下、BBC放送に基づき紹介しよう。

1、腎臓
 まず、最初は腎臓である。
 腎臓は、ソラマメのような形をし、腹部の後方、肋骨の内側の左右に1対、つまり二つあり、腎動脈が流れ込んでおり、心臓が送り出す全血液の四分の一が、この腎臓を通っている。
 腎臓の主要な働きは、血液を濾過して尿をつくり、老廃物を排泄する。つまり、血液の浄化である。
 具体的には、①身体の水分や塩分の量及び酸性度を調整する。②血液を濾過して、血液中の余分な水分や新陳代謝等によってできた老廃物を尿として取り除く。③糖とタンパク質、脂肪の再吸収する。④血圧を調整するなどである。
 この腎臓が異常をきたすとどうなるであろうか。
 大雑把にいうと、血液が濾過できなくなるために、最終的には、血液を体外に取り出し、人工腎臓で濾過する、いわゆる人工透析を死ぬまで行なわなければならなくなる。
 あるいは、脳死の人から腎臓を貰い、生体移植を行なわなければならない。
 腎臓は、大変我慢強い臓器である。そのため、腎臓機能が20㌫ぐらいに下がるまで、身体に異変や不調を感じない。腎不全などが見つかったときはかなり進行している。
 また、腎臓病は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になっている場合も多い。
 日本には、こうした腎臓病(CKD)患者が約1300万人、なんと、成人の8人に1人といわれている(東邦大学医療センター)。
 腎臓病は、①糖尿病によるもの。②高血圧や加齢に伴う動脈硬化によるもの、③糸球体(腎臓内の毛細血管の束)腎炎によるものなどがある。
 腎臓病にならないためには、①まず糖尿病、高血圧、高脂血症にならないこと。②定期的な健康診断を受けることである。
 つまり、腎臓病も成人病の一つで、自己責任的部分が大きな比重を占めている病気ということができる。
 腎臓病になった場合、腎臓病は治りにくい場合が多いので一生付き合う覚悟が必要である。

jinzou.gif 腎静脈から入った血液が、水分や腎臓の中で新陳代謝等でできた老廃物が尿として除かれ、きれいな血液に浄化され、腎動脈から出ていく。腎臓には毎分800~1000㍉リットルの血液が送り込まれ、1秒たりとも休まず働いている。腎臓の断面図(『からだのしくみ辞典』(浅野伍朗監修)成美堂出版より

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文:小笠原カオル
文:小笠原カオル

監修

監修:川村賢司
監修:川村賢司

プロフィール
昭和15年(1940)青森県野辺地町出身。東京医科大学卒業、元北里大学薬学部准教授、医学博士。退職後は、㈱東京科学技術研究所長などを務める。著書に『もっともらしい健康の常識』など多数。

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