実践的アンチエイジング講座

6、身体を知ろう (7)前立腺

[実践的アンチエイジング講座]

 男性の前立腺がんでの死亡率が、肝臓がん、すい臓がんに次いで第6位と、以外に高い。
 前立腺?、男性諸君で、前立腺とはこうこうこういう役割を果たす器官であると、答えられる人は何人いるであろうか。
 健康な男性は、成人になると、この前立腺に大変お世話になっているにも関わらず、痛くも痒くもなく、全く意識されない器官だからである。
 しかし、50歳を過ぎたころになると、おしっこの出が悪くなった、残尿感ある、あるいは終わったと思ってしまったら、またタラタラとおしっこが出てきてズボンを濡らしてしまった、などの症状が出て病院に行くと、ほとんどが〈前立腺肥大〉ですとの診察が下される。
 多くの男性は、そこで初めて〈前立腺〉という言葉を聞くであろう。
 男性は、50代~60代は40~50㌫。70~80代は80㌫以上が前立腺肥大になり、その何㌫かががん化するという、加齢に伴う男性特有の病気である。
 それでは、前立腺はどこにあり、どんな役割を果たす器官であろうか。
 私は、健康な男性が成人になると大変お世話になる器官と書いた。
 比喩的にいうなら、睾丸でつくられた精子を、女性の子宮まで届け、精子と卵子の恋の橋渡しをする、キューピットのような役割を果たす精液の一部をつくる器官である、とでもいおうか。
 まず、睾丸で精子がつくられる。それが精管を通って一旦精嚢に蓄えられる。精嚢からは精嚢液が分泌されている。
 精嚢の下に前立腺があり、ここで白濁した粘り気のあるアルカリ性の前立腺液がつくられている。前立腺液には、精子を元気にさせ、活性化させる成分が含まれている。
 そして、射精するとき、精子が前立腺から出る前立腺液をプラスして、元気になって勢い良くペニスの先から放出される。
 ところが、加齢にしたがって、睾丸の働きも、精嚢の働きも、前立腺の働きも衰えてくる。要するに男性としての機能が衰えてくるのである。
 何故、前立腺が肥大するのかということについては、まだはっきりとわかっていないが、50歳以上の男性に多いことから、ホルモンのバランスの崩れが原因であろうといわれている。
 前立腺肥大の症状には3段階があり、初期の第1段階は、トイレに立ってすぐおしっこが出ず、30秒ぐらいも待っているひと。これは、一緒にトイレに立ってみると、あ、このひと前立腺肥大だなとすぐわかる。
 第2期は、おしっこが終わっても残尿感があり、終わったと思ってしまったらあとでタラタラとおしっこが出てくるひと。これは本人でないとわからない。
 第3期は、おしっこが出ないために膀胱が拡張し、腎臓が機能障害を起こし、ひどいときには尿毒症になる場合もある。
 私の知っているひとで、尿道に膀胱まで管を通して、外の袋に管でおしっこを出しているひとがいた。これが第3期の症状である。
 困ったことに、精液を対外に排出する器官と、この尿を排出する器官は、本来は全く関係のない器官であるにもかかわらず、女性と合体して子孫を残さなければならないという男性の機能上、ペニスという同じ器官を使っている。
 ということから、尿道も前立腺の中を通り、前立腺の中で精液を運ぶ精管と合流し、1本の管としてペニスの先に出ている。
 このように、尿道も前立腺の中を通っているために、前立腺が肥大することによって尿道が圧迫され、尿が出にくくなるというわけである。
 これが前立腺肥大である。
 私は、現在70歳(昭和17年2月10日誕生)。私も60歳を過ぎたころ、ご多分にもれず、やはり前立腺肥大になり、残尿感や、終わったと思いしまったところ、あとからおしっこがタラタラと漏れ、ズボンを濡らし、困ったことがあった。
 つまり、第2期の前立腺肥大までなったのである。
 これを私は、病院にも行かず、薬も使わず、あることをして治してしまった。
 これは、アンチエイジングに関わることなので、後に紹介しよう。

zenritusen.jpg 睾丸でつくられた精子①が、精管③を通って、一旦精嚢④に蓄えられ、前立腺⑤でつくられた前立腺液と共に、尿道を通って精液として射精される。一方、膀胱に溜まった尿を排出する尿道⑥も、前立腺の中で精管と一緒になっている。男性が高齢になると、精子をつくる量も、精液をつくる量も衰える。そうするとホルモンのバランスが崩れ、前立腺肥大となって現れる。前立腺が肥大すると尿道が圧迫され尿の出が悪くなるというわけである。

文:小笠原カオル
文:小笠原カオル

監修

監修:川村賢司
監修:川村賢司

プロフィール
昭和15年(1940)青森県野辺地町出身。東京医科大学卒業、元北里大学薬学部准教授、医学博士。退職後は、㈱東京科学技術研究所長などを務める。著書に『もっともらしい健康の常識』など多数。

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