実践的アンチエイジング講座

6、身体を知ろう (9) 免疫システム

[実践的アンチエイジング講座]

 先ごろ、私の父の弟の妻、つまり義理の叔母が亡くなった。享年81歳であった。
 現在、女性の平均寿命が86・39歳(平成22年)であるから、今では81歳でも平均寿命に達しないちょっと早い死ということになる。
 私の父の兄弟は4人である。長女、そして長男である私の父、次男、三男の4人である。
 最近、女性が年上という夫婦も増えてきているが、一般的な夫婦は、妻が幾つか年下という夫婦が多い。
 たとえば、妻が夫より三つ若い夫婦だとしよう。
 男性の平均寿命は79・64歳(平成22年)である。
 男性と女性の平均寿命の差は約7歳で、女性の方が約7年長く生きることになる。
 この夫婦の場合、7+3で、妻は夫が亡くなってから未亡人として10年生きることになる。これが一般的な夫婦の晩年の姿である。
 ところがである。私の父の男兄弟が3人とも、妻が夫より年下にもかかわらず先に亡くなっている。
 長男である私の父は現在93歳。87歳のときに運転免許を更新し、93歳の誕生日まで350mlの缶ビールであるが酒を飲み、毎日数本のタバコを吸っていた。
 次男は現在87歳。85歳までシルバー人材センターに登録し、働いていた。
 三男は現在84歳。今なお現役で働いている。
 3人とも男性の平均寿命を遥かに上回っている。多分、父の兄弟は3人とも、現在の健康状態を見ると100歳前後までは生きるであろうと思っている。
 私の祖父は男2人、女2人のやはり4人兄弟であった。祖父は明治26年(一八九三)生まれで、83歳で亡くなったが、祖父の一番下の弟は現在100歳である。
 慶応3年(一八六七)、江戸末期に生れた我が家の初代である曽祖父は、平均寿命が40歳の時代に82歳まで、曽祖母は79歳まで生きている。
 我が家は、一般的にいういわゆる長寿の家系である。
 何故長寿であろうと考えたとき、私は免疫力の強い遺伝子を持った家系ではなかろうかと思っている。
 何故なら、曽祖父母も、祖父の兄弟が1人だけ40代でがんで亡くなった他、父の兄弟も、私の兄弟も、私の子供も、そして孫も、今のところ、がんを含め内科的な病気で入院したことがないからである。
 私が40歳になったとき、我が家が長寿の家系であることに気づき、80歳まで現役で働こうと会社をやめ、現在の仕事を見つけた。
 それから30年、長寿の秘密がわかった現在、私は100歳までを仕事の目標にしている。
 病気をせず、健康で長生きをし、仕事ができることが、アンチエイジングにとって最も重要なことの一つである。
 その健康を守る中心となるのが免疫力である。
 しかし、免疫細胞なり、免疫システムは複雑なので、わかり易く比喩的に説明しよう。

 免疫細胞は身体を外敵から守ってくれる勇猛果敢な戦士である
 免疫力の弱い人は、風邪をひきやすく、がんなど様々な病気にもなりやすい。
 免疫細胞とは何であろうか。簡単にいうと、身体を外敵から守ってくれる勇猛果敢な戦士である。
 免疫細胞の戦士たちには、細菌やウイルスなど、身体に入ってきた敵を見つける者、敵襲来の情報を伝達する者、攻撃の開始を命令する者、武器を作る者、攻撃する者、それらを元気づける者などがあり、それらが一つのシステムとして外敵から私たちの身体を守ってくれている。
 免疫細胞の役割を大きく分けると、
 ①、身体の中に入ってきた細菌やウイルス、あるいは寄生虫などを見つけ、それを攻撃しやっつける。
 ②、身体の中で作られるがんなどの異常細胞を見つけて、それを抑制しあるいは撲滅する。
 ③、一度逃がしてしまった細菌やウイルスを、もう二度と逃さないぞと、そのウイルスを監視し、入ってきた場合攻撃しやっつける新たな戦士をつくる。
 免疫細胞は、この③ように学習能力がある。これを適応免疫、あるいは獲得免疫という。
 それを応用したのが、インフルエンザの生ワクチンや、子宮頸がんワクチンなどのワクチン類である。
 細菌、ウイルス等外敵から身体を守る仕組み
 1、皮膚・粘膜でブロック
 細菌の侵入はまず皮膚がブロックしてくれる。
 口や鼻に入った場合は、粘膜によって体外に排出される。それがくしゃみ、あるいは扁桃腺である。また唾液には殺菌作用がある。
 2、胃でブロック
 胃からはpH2ぐらの強い酸性の胃液が出ており、細菌を殺す。pHは酸性からアルカリ性の間に0~14の目盛りの数字をつけ、7が中性で数字が小さくなるにしたがって酸性が強くなり、7より大きくなるとアルカリ性が強いということになる。pH2は殺菌力のある、かなり強い酸性ということになる。
 3、腸でブロック
 身体に入った細菌やウイルス、あるいは異物を退治せんと、次に待ち構えているのが腸である。
 腸は、腸に入ってきたものが有害であるか無害であるかを見分け、有害であればそれを退治し、あるいは排除してくれる。
 腸環境を整えることが、即健康につながる。
 4、血液でブロック
 それでも防ぎきれなかった場合、最後の砦は血液である。
 血液では、白血球という戦士が待っており、細菌やウイルスをやっつけてくれる。
 このように身体には、幾重にも身体を守る仕組みが備わっている。これが身体を守る免疫システムである。
 もちろん、免疫力、あるいは免疫システムは、食生活や日常の生活を変えることによって高めることができる。それが、アンチエイジングである。
 免疫細胞はどこで造られるか
 免疫細胞の主要なものは白血球であるが、白血球は骨髄で造られ、その約30㌫はリンパ球である。
 このリンパ球が通る管、リンパ管が全身に張り巡らされ、細菌や異物が入ってこないか、いってみれば24時間体制で私たちの身体を見守っていてくれている。
 その他、免疫器官として、胸腺、リンパ節、血管、膵臓、腸などがある。

文:小笠原カオル
文:小笠原カオル

監修

監修:川村賢司
監修:川村賢司

プロフィール
昭和15年(1940)青森県野辺地町出身。東京医科大学卒業、元北里大学薬学部准教授、医学博士。退職後は、㈱東京科学技術研究所長などを務める。著書に『もっともらしい健康の常識』など多数。

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