十和田湖ニュース

モスプロジェクト報告フォーラム コケは観光になり得るか

[十和田湖ニュース]

kokefo-ramu.jpg  奥入瀬渓流のコケ(蘚苔類)に注目し、コケが観光資源になり得るかを調査・研究する、奥入瀬渓流エコツーリズムプロジェクト実行委員会(通称/モスプロジェクト)の報告フォーラムが、1月19日、市民文化センターで行なわれた。
 フォーラムは、まず特別講演として、国立極地研究所特認教授の神田啓史さんが、「奥入瀬渓流のコケ植物について‐蘚苔類相基基調調査報告‐」を行なった。
 神田さんは、調査の結果奥入瀬渓流には170種のコケがあることがわかった。また、どんなところにコケがあるか。岩、腐植土、樹など、写真で説明した。
 続いて、ノースビレッジガイドの河井大輔さんが、何故コケに注目したか、及びモスプロジェクトの1年間の活動を報告した。
 河井さんは、これまでの奥入瀬渓流の観光は、どれだけ少ない時間で、どれだけ多くを楽しむかの通過型の観光スタイルであった。観光は「光」を「観」と書く。これからは、地域の「光」を、ゆったり、じっくり、たっぷりと観る、滞在型の観光に変えて行かなければならない。
 大きな自然は小さな自然の集まりである。コケの観察は、あるく、たたずむ、うずくまるの、これまでと全く違う形の自然とふれあう観光となる。
 また、この1年間でどんな講師に来ていただいたかでは、日本蘚苔類学界会長の秋山弘之さん、岡山理科大学自然植物園園長の西村直樹さん、国立科学博物館の樋口正信さん、『苔とあるく』の著者田中美穂さん、『コケはともだち』の著者屋久島野外活動総合センターの小原比呂志さんなど、日本のコケ研究の専門家をほぼ網羅するほどの講師陣であった。
 続いて行なわれた、「小さな自然を観る旅は奥入瀬観光を変えるか?」のパネルディスカッションでは、河井大輔さんをコーディネーターに、パネリストには、下川原まゆみさん(十和田湖奥入瀬観光ボランティアガイドの会)、高岡實さん(NPO法人十和田・奥入瀬郷づくり大学)、藤浩志さん(十和田市現代美術館副館長)、山下圭三さん(星野リゾート青森屋総支配人)、アドバイザーとして神田啓史(国立極地研究所特認教授)で議論を深めた。
 モスプロジェクトの1年間の活動及び、その報告フォーラムは、将来の十和田湖・奥入瀬の観光形態を変えるであろうと思われるほどのインパクトのあるフォーラムであった。
 なお、これを機会に「奥入瀬自然観光資源研究会」(鮎川恵理会長)が発足した。

 パネルディスカッション「小さな自然を観る旅は奥入瀬観光を変えるか?」写真左から、コーディネーターの河井大輔(㈱ノースビレッジ)、パネリストの下川原まゆみ(十和田湖奥入瀬観光ボランティアガイドの会)、高岡實(NPO法人十和田・奥入瀬郷づくり大学)、藤浩志(十和田市現代美術館副館長)、山下圭三(星野リゾート青森屋総支配人)、アドバイザーの神田啓史(国立極地研究所特認教授)の皆さん