編集長のたわごと

へそ曲がり編集長のおもしろ本紹介 5

[編集長のたわごと]

『教科書には載っていない 大日本帝国の真実』
なぜ短期間で世界第3位の軍事大国になったのか?
アジアに突如現れた謎の大国、
〃大日本帝国〃、その真実に迫る!
 dainihonteikokunosinjitu.jpg最近コンビニに行くと、雑誌売場の一番前に編みかごが下げてあり、そこに単行本が入っている。
 その本の特徴は、大げさな目を引くタイトルで、本を開くと一つのテーマについて見開きないし、長くても6、7頁で、中見出しが大きく、写真や絵などをふんだんに使われており読みやすい。いわゆるコンビニ本である。
 この本も、そんなコンビニ本の一つである。
 タイトルが面白そうだったのでアイスクリームと一緒に買った。そして読んでみると、なかなか面白い。
 約250年続いた徳川幕府が倒れ、明治政府が発足したのは1863年である。
 この明治維新は封建制度から近代への一つの革命であるが、フランス革命にしろ一般的な革命は、時の権力に対して市民が蜂起し、武力でもって革命を成し遂げている。
 それに対して明治維新は、大政奉還という形で、多少の混乱はあったものの幕府が自ら政権を引き渡すという世界に例を見ない革命であった。
 そして明治27年(一八九四)に日清戦争を起こし勝った。さらに明治37年(一〇〇四)に、当時アメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ世界の四大帝国であったロシアに宣戦布告して勝ってしまった。
 江戸時代は、徳川幕府が政権を握ってはいたものの統一国家ではなかった。武士が腰に刀を差し威張っていた時代である。ペリーが浦賀に来て開国を迫った時には、なす術も知らずうろたえていた日本。
 それがわずか40年足らずで、ロシアに勝ち、世界の五大国入りした。その原動力は何であったか。
 私は決して、大日本帝国を肯定するものではないが、世界史の中で当時の日本を見たとき、池上彰ではないが、なるほどそうであったかとうなずける。
 そして、昭和16年(一九四一)無謀にもアメリカに宣戦布告し太平洋戦争に突っ走た。
 日本は世界の大国を相手にして勝つ見込みがあったのか。真珠湾攻撃をルーズベルトが知っていたのか。
 戦争に国民が賛成したというが、その戦争をあおったのが、報知(現読売)、朝日、毎日の大新聞であった。
 この本で残念なのは、治安維持法をつくり、共産主義者や宗教者、民主主義者など戦争に反対する勢力約7万人を牢獄に閉じ込め戦争に突っ走たが、そのことについては一言もふれていない点である。
 しかし、明治維新から昭和20年(一九四五)迄を、世界史的な観点からみると、こんな見方もあるのかと、考えを新たにさせられた。

 武田智弘著(彩図社刊)定価1300円+税