BUNKA新聞社30年の歩み

5、実践し学び取材する

[BUNKA新聞社30年の歩み]
①ふるさとを歩く会/10年間で69回探索
 BUNKA新聞の社是に「地域の歴史・文化・人の掘り起し」と掲げたものの、この仕事をやる前の私の仕事は農機具のセールスマン。生まれは旧十和田湖町の人里離れた山奥だから十和田市の歴史なんて全く知らない。とりあえず十和田市の歴史研究家の方々に書いていただくことにした。その一人に私の歴史の師となる当時は学校の先生であったが地域の歴史を研究している伊藤一允さん(現青森県文化財保護協会理事)がいた。
 昭和60年(一九八五)、角川書店から『日本の地名辞典』青森県編が出版された。この地名辞典を執筆したのは当時青森大学の学長であった盛田稔先生(『地名辞典』編纂委員長)をはじめ、地域の歴史研究家たちであった。
 翌昭和61年(一九八六)青森県の地名のうち上十三地域を執筆した人たちを中心とした地域史研究家たちが集まり『地名辞典』の出版祝賀会が行われた。
 そのとき、お前が新聞社をやっているんだから事務局をやれと事務局を仰せつかった。祝賀会は成功裡に終わった。この祝賀会で、その後BUNKA新聞社を応援してくれた盛田稔先生、伊藤一允さんをはじめ、山崎栄作さん、後沢良太郎さん、東正士さん、長根富栄さんら、地域史研究家たちと知り合った。この出会いがなければ現在のような文化新聞の発展はなかったであろう。BUNKA新聞社の礎になってくれた人たちである。
 その席上、上十三地域にも素晴らしい歴史、文化があるんだから、実際に歩いて確かめてみようじゃないかと提案された。そして伊藤一允さんが会長、BUNKA新聞社が事務局となり「ふるさとを歩く会」が発足した。
 以下、第1回~69回までの探索地を紹介しよう。

〔昭和61年(一九八六)〕
01/相坂・白上地域探索
02/三本木発祥の地を歩く①
03/霊山月日山探索①
04/十和田市の大地を覗く
05/相坂東地域探索及び
  宮本武蔵が実践で使っ
  た「兼久」見学
06/霊山月日山探索②

〔昭和62年(一九八七)〕

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07/稲生川未完の穴堰探索
08/南部裂織、菱刺、日本
  刺繍等伝統工芸を見る
09/一万三千年前の埋没林と十和田の名水を歩く
10/古代道探索/月日山から惣辺まで
11/岩手県江釣子村と作り村巡り
12/水の取入れ口から十和市まで稲生川を歩く
13/高清水地域探索
14/洞内地域探索
15/五戸方面探索①

〔昭和63年(一九八八)〕
16/縄文展見学とワ飯ヒエ飯を食う会
17/七戸方面探索①
18/自然を食う会
19/伝法寺地域探索
20/八幡岳登山とベンダーの里
21/秋田県鹿角方面探索
22/切田地域探索①
23/野辺地方面探索
24/切田地域探索②

〔平成元年(一九八九)〕
25/あまから(和・洋菓子、造蔵)道中
26/古牧温泉と祭魚洞公園
27/大不動地域探索
28/野山の草木を食う会
29/下田方面探索
30/大深内方面探索
31/奥入瀬渓流探索
32/新渡戸のルーツを訪ねて(花巻市)

〔平成2年(一九九〇)〕
33/手打ちそば、そばモチ、豆しとぎなど本物の味を楽しむ
34/南部発祥の地三戸探訪
35/三本木発祥の地を歩く②
36/古代道松浦武四郎の道を歩く①
37/六ヶ所方面探索
38/月日山探索③
39/北の鉄の文化展(盛岡市)
40/十和田湖町探索
41/深持地域探索

〔平成3年(一九九一)〕
42/七戸方面探索②
43/春を食う
44/平泉の歴史を探る
45/米田、滝沢地域探索
46/八戸方面探索
47/松浦武四郎の道を歩く②
48/六戸方面探索①

〔平成4年(一九九二)〕
49/五戸方面探索②
50/裂織体験と山菜採り
51/名川町さくらんぼ刈りと法光寺
52/東日流(つがる)歴史の旅
53/赤沼備中と奥瀬氏の居  城を訪ねて
54/霊山月日山探訪④
55/悲運の社会主義詩人塚甲山と上北町

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〔平成5年(一九九三〕
56/ワダカン食品工業工場  見学
57/幻の名瀑松見の滝探索
58/三沢市探索
59/新渡戸の足跡を訪ねて 川内町歴史の旅
60/霊山月日山探索⑤

〔平成6年(一九九四)〕
61/透明度全国第3位 新緑の赤沼探索
62/六戸町探索②
63/キリスト伝説とロマン里新郷村探索
64/青森三内丸山遺跡 縄文ロマンの探索
65/下北薬研、下風呂、井の旅
66/昔の手作りの味を楽しむ

〔平成7年(一九九五)〕
67/奥入瀬渓流ウオークと十和田湖一周
68/根城南部八百年の歴史を辿る
69/古代道を歩く月日山と十和田湖参拝

 10年間に69回、1年間に4月から10月までの7回。私と伊藤さんはその探索地を企画をし、前もっての下見をする。つまり探索は69回だが、下見を含めるとその倍の138回探索したことになる。これは私に、この地域の膨大な知識を与えてくれた。まさに地域の歴史・文化の大学であった。
 それを一つのテーマでまとめたのが平成21年(二〇〇九)に出版した『十和田湖はむかし、信仰の湖だった 古道を歩く』(文化出版刊)である。