BUNKA新聞社30年の歩み

9、まちづくり塾開講

[BUNKA新聞社30年の歩み]
 まちづくりコーディネーターの資格を取得した私は、塾長に長編叙事詩『三本木の風土と栄光』を書いた和栗秀一北里大学名誉教授を迎え、私が事務局長をやり「十和田まちづくり塾」を開講した。ここからが私の「まちづくり」というはっきりとした目標をもったまちづくりが始まった。
 塾生の募集に当たっては、私の友人や知人たちに声をかけた。また、会場は公共施設であると夜9時で終わらなければならない。できれば時間を気にしないでじっくりと話し合いをしたい。そこで、商工会議所の飲む席で知り合った、まちづくりに強い関心を持っていた山崎製パン十和田工場の工場長に、「実はまちづくりの話し合いをする場所がなくて困っているんだけれどいいところないですか」と相談したところ、「じゃうちの施設で使っていないところがあるからそこを使えよ」と快く引き受けてくれた。
 まちづくり塾に賛同し参加してくれたひとは、会場を提供してくれた山崎製パンの工場長をはじめ、大学教授、元十和田市助役、銀行員、中小企業の経営者、歯科医、元教員など33名であった。
 平成12年(二〇〇〇)3月25日、第1回目の話し合いが行われた。参加者は皆初めて顔を合わせるひとばかり。まず自己紹介をし、それぞれのまちづくりへの熱い想いを語ってもらった。終了したのが午前零時であった。

①馬でのまちづくりと馬関係団体の設立

 例会は毎月1回。塾生にどんな十和田市をつくるか、話し合いと共にそれぞれレポートを書いてもらった。
 それをジャンル別に分類し、①街のマップ作成委員会、②馬でのまちづくり委員会、③高齢化「夢」社会づくり委員会、④若い世代が活気あるまちづくり委員会、⑤NPO法人研究委員会の5つの検討委員会を設けた。
 こうして1年間討議。その中で最も話が弾んだのが、塾生の中に乗馬倶楽部を経営している中野渡利彦会長がいたこともあり、十和田市は馬でまちづくりといって、馬の文化資料館「称徳館」の建設や、官庁街通りに馬の彫像をつくっている。十和田市は戦前は日本最大の軍馬補充部があり、昭和30年代まではどこの農家でも馬を飼っていた。馬でのまちづくりというならやっぱり生きた馬でなければ意味がない。まちの中に馬のいる風景をつくろうと、「生きた馬でのまちづくり」を掲げた。
 以下、塾生が中心となって設立した馬関係団体を紹介しよう。

 【平成13年(二〇〇一)】「子ども乗馬クラブ」設立

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 馬でのまちづくりはまず子どもたちに馬に親しんでもらおうと、十和田乗馬倶楽部の協力で最初に設立したのが「子ども乗馬クラブ」であった。子ども乗馬クラブでは軽乗を指導した。

 【平成14年(二〇〇二)】「馬事振興協会」設立

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 十和田市にはかつての馬のまちだけあって、十和田馬術協会、北里大学馬術部、三本木農業高校馬術部、十和田乗馬倶楽部など、馬関係団体が幾つかある。それら馬の関係団体がひとつとなって年1回の馬のまつり「駒フェスタ」を行うことになった。その駒フェスタを企画・運営する組織として馬事振興協会を設立した。写真は、馬事振興協会が主催した第1回駒フェスタ。

 【平成15年(二〇〇三)】官庁街通りで馬車運行

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 馬を飼っている農家にお願いして、十和田市で初めて馬車を運行した。写真は、官庁街通りで最初に運行した馬車。

 北海道より和種馬6頭購入「馬主協会」を設立
 馬でのまちづくりは、駒フェスタや馬車運行へと発展。馬への想いが強くなり、自分たちで馬を持とうじゃないかと塾の有志が金を出しあい北海道から和種馬6頭購入。馬主協会(当初は乗用馬生産協会)を設立した。

 【平成16年(二〇〇四)】「NPO法人十和田馬主協会」及び「NPO法人駒ネットワーク十和田」設立
 平成17年に駒っこランドがグランドオープンすることが決まった。それに伴い、十和田市から駒っこランドのうち「駒っこ牧場」の管理・運営を馬主協会に依頼された。
 が、市の条例上、管理する団体は収益を伴う事業を行うことができない。そのために馬主協会を分離し、牧場の管理部門としてNPO法人十和田馬主協会を、収益を伴う運営部門としてNPO法人駒ネットワークをと2つのNPO法人を立ち上げた。

 【平成17年(二〇〇五)】NPO法人十和田馬主協会及びNPO法人駒ネットワークが管理・運営に携わる

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 4月に駒っこランドがグランドオープン。「駒っこ牧場」の指定管理を受け、管理部門をNPO法人馬主協会が、運営部門をNPO法人駒ネットワークが受託した。

 【平成18年(二〇〇六)】まちづくり塾解散
 まちづくり塾を開講して6年、最後まで残った塾生は11人であった。
 以下、まちづくり塾がつくった平成18年当時の団体及び塾生のそれぞれの役割(役員のみ)を紹介しよう。

 十和田馬事振興協会
 和栗秀一(会長)、佐々木敏雄(副会長)、黒沢一郎(事務局長)、中野渡利彦(理事)、古賀隆也(理事)、小笠原カオル(理事)

 NPO法人十和田馬主協会
 佐々木敏雄(理事長)、古賀隆也(副理事長)、佐藤清(事務局長)、中野渡利彦(理事)、小笠原カオル(理事)

 NPO法人駒ネットワーク十和田
 小笠原カオル(理事長)、佐藤清(事務局長)、佐々木敏雄(理事)、黒沢一郎(理事)、古賀隆也(理事)、斉藤一友(監事)
 この駒ネットワーク十和田は、後に条例の改正により、運営する団体でも収益を伴う活動を行ってもいいということになり、駒ネットワークは解散し馬主協会に一本化した。

 子ども乗馬クラブ「駒っこクラブ」
 小笠原カオル(会長)

 このように、塾生がそれぞれの団体の責任ある立場に就いたので、第1期のまちづくり塾はその役目を終えたとして、平成18年6月に解散総会を開き解散した。