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「共に生きる」書家 金澤翔子の軌跡

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 10月26日に十和田市民文化センターで社会福祉法人十和田市社会福祉協議会の法人化50周年を記念して講演会が開催された。オープニングでは社会福祉法人恩和会障がい福祉サービス事業所農工園千里平と社会福祉法人至誠会救護施設誠幸園による「祝ファイティングマーチ」で700人を超える来場者で埋まる会場を盛り上げ開幕した。
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 記念講演として演題「天使の正体~ダウン症書家翔子との軌跡~」と称し、講師である書家・金澤泰子さんと書家金澤翔子さんを招いて開演された。初めに金澤翔子さんによる書道パフォーマンス。大きな半紙に力強く「共に生きる」と書いた。
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 講演は母である金澤泰子さん。自分は遅くに結婚し出産も遅く、42歳でやっと生まれた子がダウン症と診断され、目の前が真っ暗になった。父も早くに他界し、30年前は娘と一緒に死ぬしかないと思ってたほど追い詰められていた。当時はまだあまり周知されていないダウン症のため小学校では普通学級に入れた。競争心がないためなんでもビりで申し訳ないと思っていたが先生からは翔子さんがいるとクラスが穏やかになると言われた。それでも習い事などはいろいろやらせてみた。自分も何かしないとと考え、書道教室を始めた。最初は3人から書道教室を始め、これからという時期に翔子が3年生の頃、学校から追い出されてしまった。とても苦しく長い月日を共に過ごしてきたと思っていたが、苦しんでるのは実は親だけで翔子はとても明るく毎日を生きていると気付かされたと語った。
 そしてダウン症と診断された娘・翔子は30歳で一人暮らしを始めたという。翔子の書には涙を流してくれる人がいる。ダウン症だから魂が純粋で優しがあるからだと思います。そして20歳で個展を開いた。無心の心で書く「書」には人智を超えた何かがあり感動を呼ぶ。書道を書いて上手くいったらお給料を貰う。父親が残した財産を使うのではなく、生活の中で自分で稼ぐことを覚えた。出来ないと決めつけるのではなく、一人でやらせてみたらすごく出来たので嬉しかったという母泰子さんに、「お母さんが好きだから生まれてきました。お母さん、ありがとう」と娘翔子さんが伝えた。
 最後に、30年前に世界一不幸だと思ってた自分がいて、今は世界一幸せな自分がいると思えたと語った。実体験からの軌跡の講演は幕を閉じた。
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講演後は福祉の作品コンクールの表彰式や大会式典が行われた。最優秀賞の受賞者は以下の通り
▽作文/古里浩志(南小1年)/大久保拓海(南小5年)/向平実月(附属中3年)
▽ポエム/長谷川朱羽(藤坂小3年)/杉村大湖(十和田湖小4年)
▽書道/岩本郁香(北園小2年)/野月咲花(南小5年)/向江舞桜(附属中3年)/佐々木彩乃(三本木高3年)
▽絵画/布施裕翔(三本木小2年)/葛西寧子(南小6年)/野月悠太郎(第一中1年)/一戸絃乃(三本木中1年)
▽写真/菅井綜真(北園小2年)/若木智礼(ちとせ小6年)