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岩手医科大学脳神経学科教授 小笠原邦昭さん

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十和田市出身・医師が選んだスーパードクターにもランキング。日本脳ドック学会次期会長に予定されている

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 日本人の三大死因である悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患のいずれもが青森県はワースト3以内に入っている。それが不名誉な日本一短命県につながっている。
 青森県は声高々に短命県返上を叫んでいるにも関わらず一向に改善の兆しが見えない。
 野菜などの食材の日本有数の生産地である青森県。そんな新鮮でおいしい食材を使った料理を食べていればワーストどころかベスト上位になるはずである。が、青森県は、野菜の摂取量が少ないだけでなく、何故かインスタントラーメンの消費量が断トツ日本一である。えっ!インスタントラーメン消費量日本一と、平均寿命ワースト1との関係あるの?ということになる。
 青森県ではむかしから「あたり」といわれている脳卒中、脳梗塞などの脳血管障害での死亡率が非常に多い。その大きな要因の一つは塩分の取りすぎである。
 小笠原先生は、
「塩分を取りすぎると高血圧になり、そのことによって血管が傷み、心血管疾患(心肥大や心不全などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞などの脳卒中)などが起こりやすくなります。青森県は寒いという地域性もあるかと思いますが、伝統的に塩辛いものしょっぱいものが好きなんですね。ですから、インスタントラーメンをはじめあらゆる加工食品は、青森県など東北に出すものは、それ以外の地域に出すものより塩分濃度を少し高くしているんです。要するにしょっぱくしないと売れないんです」と語る。
 それに加え、喫煙率と多量飲酒者率もワースト1。肥満率44位。スポーツする人の割合ワースト1、健康診断受診率39位である。
 そこから見えてくるのは、青森県人は健康に対する意識が極めて低いということではなかろうか。
 それを必死で裏で支えている一人が脳神経外科の研究者である小笠原邦昭教授である。
「意識を変えるというのはなかなか難しいです。私は学校給食で塩分が少ない方が美味しいと子どもの味覚を変える。そのことによって、それら成人病の7割は防げると思っています」と語る。
 小笠原邦昭さん。昭和34年(一九五九)5月、旧十和田町沢田に生まれる。沢田中学校、八戸高校、弘前大学医学部卒業。その後日本の脳神経外科学の先駆者の一人である東北大学の鈴木二郎教授のもとで14年間研究。平成10年(一九九八)38歳のとき岩手医科大学に赴任。平成20年(二〇〇八)同大教授となり現在に至っている。
 これまで東北脳血管障害懇対会医学奨励金(3回)、日本脳卒中の外科学会賞を受賞。
 また学会では、日本脳神経外科学会代議員、同学術評議員、同専門医試験委員、日本脳循環代謝学会理事、日本脳卒中学会理事、同専門医試験委員などを務め、一般財団法人日本脳ドック学会の次期会長にも予定されている。そして、医師が選んだスーパードクターにもランキングされている日本の脳神経外科学会界のエキスパートである。
「私は青森県はいわゆるあたりが多いということで脳神経外科へ進んだわけではないですが、これを解決するのは学校教育等での啓発が一番だと考えています。私にできることがあればぜひ協力していきたいと思っています」と語る。
 平成29年度の十和田市民大学講座の講師にも予定している。