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お医者さん詩人小笠原眞さん第六詩集 『父の配慮』を出版

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 お医者さんで、青森県詩人連盟賞や第10回青森県文芸賞受賞の詩人である小笠原眞さんがこのほど、第六詩集『父の配慮』を出版した。
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 小笠原さんのこれまで、『一卵双生児の九九』、『あいうえお氏ノ徘徊』『48歳のソネット』、『極楽トンボのバラード』、『初めての扁桃腺摘出術』の5冊の詩集を出版しているが、今回の詩集はより生活感にあふれ小笠原さんの人柄がよくわかり、思わずくすっと微笑みたくなるような詩集、あるいは人生論的な詩集である。
 幾つか紹介すると、「恩師の命日」では、耳鼻咽喉科の医者になったいきさつが綴られている。医学部での難しい講義の中で耳鼻科の先生の講義が名講義であった。ついその先生に魅かれて耳鼻科の道に進んでしまったという。
「戦争を知らない子どもたち」では、戦後70年経ち、戦争を知らない世代は70歳以下、日本の人口の8割を占めるに至っている。戦争は人を殺すことである。国家が強制的に殺人を強要することである。最近きな臭い空気が漂いはじめている。そんな状況を危惧する社会派詩人の顔を見せている。
「医学部嫌いの父」では、実は小笠原さん一家は、小笠原さん、小笠原さんの弟、それぞれの息子3人は医者及び医者の卵と、6人がお医者さん、小笠原さんの奥さんを含めると7人が医者である。
 誰の影響ですかと聞くと、父が最初帝国大学医学部に入ったが、解剖が嫌いで工学部に転部したという。それもカエルの解剖で、俺は医者には向かないと工学部に転部したというのである。そんな心根優しい父の詩に思わず笑ってしまった。
 小笠原さんは現在61歳。これまでと違った人生が色濃く出ている読みごたえのある詩集である。
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 小笠原眞詩集『父の配慮』。ふらんす堂刊。定価2000円+税