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「地史」と「生物史」から学ぶ奥入瀬渓流 地元ネイチャーガイドによる自然学習会が開講

[ローカルニュース]
 一般社団法人十和田奥入瀬観光機構が主催となる「地元ネイチャーガイドによる自然学習会」が7月17日~19日の三日間に市民交流プラザトワーレ、十和田市立図書館で開催された。
 講師にNPO法人奥入瀬自然観光資源研究会(通称・おいけん)の川村祐一氏を招き、「これを知ってて観るとおもしろい~奥入瀬渓流~」をテーマに学習会が行われた。
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 テーマに沿って、奥入瀬渓流はどうやってできたのか、奥入瀬渓流の植物の生え方、奥入瀬渓流の歩き方、コケから自然をひも解いてみると、これからの奥入瀬についてを歴史を振り返りながらの学習会が始まった。
 自然の基本構造として『地史』の上に『生物史』が成り立っている。火山噴火でせり上がった山の高いところでカルデラ噴火が起こり、そこに生まれた湖が十和田湖。その一部が決壊し、そこから約70㎞にわたり流れ出た。その5分の1が現在の奥入瀬渓流と呼ばれている。辺りは岩だらけで植物や生物はいなかった。
 山瀬の風や渓流のしぶきなどおかげでシダやコケが岩につき、鳥や風が植物の種を運んで大きな自然となった。自然が生まれた事で生き物が住み、長い年月をかけ、奥入瀬渓流という雄大な自然が誕生した。
 奥入瀬渓流の植物はコケの他にもシダ植物が多い。コケとシダの大きな違いは根から養分を吸収するか、葉から吸収するかで、コケの先祖は海の中で流されないように根をはって葉から養分を吸収していた植物がコケとなり、丘に上がった(水面が下がった)植物で太陽から養分を吸収・光合成をした植物がシダとなった。その植物が木となり花となり環境に対応・進化して様々な特徴をもつ植物となった。奥入瀬にはその自然の歴史が詰まっていて、現在も進化し続けている植物もあるという。
 奥入瀬渓流の歩き方としては各エリアの特徴を知っておくこと。ブナ林など森を見たいなら下流、渓流などの流れをみたいなら中流、多くの滝を見たいなら上流と分かれている。
 これからの奥入瀬渓流についての講義では、今までは国立公園と指定された自然の中を国道が通っているという非常に珍しい場所。これは自然環境にとっては当たり前に良いわけではない。あと7~8年後にバイパスが開通する。そうなるとマイカー規制もかかり、歩いて奥入瀬渓流を散策するようになる。奥入瀬渓流は天然の自然博物館【奥入瀬フィールドミュージアム】として通り過ぎる自然ではなく、立ち止まって見る自然となるだろうとこれからの展望を語った。
 最後に「大きな自然は小さな自然が集まってできている」ことと、それは「立ち止まるから見えてくる」ことを伝えて学習会は終了した。目先のガイドではなく、歴史を知り、自然を理解し、観光客にどう伝えていくかを学ぶ時間となった。
 今後は奥入瀬渓流ガイド養成講座も開催予定で、日英中の共通講座やネイチャーガイドツアー体験なども企画している。お問い合わせは...0176‐24‐3006(一般社団法人十和田奥入瀬観光機構)迄